お花やお酒のの持ち込みは出来ますか?

【完全ガイド】海洋散骨で故人の好きだったお花やお酒をお供えする方法|申し込みは必要?注意点も徹底解説

「故人が大好きだったお花を、美しい海へ手向けたい」
「生前、毎日のように嗜んでいたお酒を、最後に一緒に酌み交わしたい」
大切な方を海洋散骨でお見送りすることを考えたとき、故人を偲ぶ気持ちの表れとして、お花やお酒などのお供え物をしたいと考えるのは、ごく自然な想いです。
しかし、同時に「そもそも海洋散骨でお花やお酒をお供えしてもいいのだろうか?」「特別な申し込みが必要なのだろうか?」「環境に影響はないのだろうか?」といった疑問や不安を感じ、どうしたら良いかわからなくなってしまう方も少なくありません。
この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消するために、海洋散骨におけるお花やお酒のお供えに関する全てを、分かりやすく徹底的に解説します。当会では、環境への配慮を最優先しながら、ご遺族様が心から故人を偲ぶことができるよう、最大限のサポートをいたします。
この記事を最後までお読みいただければ、お花やお酒のお供えに関するルールやマナー、具体的な準備の方法が明確になり、安心して故人様とのお別れの時を迎えられるようになるでしょう。

海洋散骨でお花やお酒をお供えすることはできる?申し込みは必要?

まず、最も気になる疑問からお答えします。

結論として、当会の海洋散骨では、ご遺族様が故人のためにお花やお酒をご用意し、お供えいただくことが可能です。


ただし、当会が事業者としてお花やお酒をパッケージとしてご用意し、販売するサービスは行っておりません。そのため、事前の特別な「申し込み」は不要です。故人様が生前お好きだった銘柄のお酒や、思い出の詰まったお花などを、ご遺族様ご自身で自由にご準備いただき、当日お持ち込みいただく形となります。
私たちは、ご遺族様が「故人のために」と想いを込めて選ばれた、そのお気持ちを何よりも大切にしたいと考えています。テンプレート化されたお供え物ではなく、世界に一つだけのお供え物で、故人様らしい温かいお見送りを実現するためのお手伝いをさせていただきます。
もちろん、お持ち込みいただくにあたっては、海洋環境を守るための大切な自主ルールがございます。次の章から、お花とお酒、それぞれのお供えに関する具体的な方法と注意点を詳しく見ていきましょう。

故人を偲ぶお花|海洋散骨で献花する際の注意点

海面に美しく広がる色とりどりのお花は、故人の旅立ちを華やかに彩り、ご遺族の心を癒してくれます。献花は海洋散骨の儀式の中でも、特に感動的な瞬間の一つです。

どんなお花を選べばいい?


お花の種類に特別な決まりはありません。故人様が生前、特に愛していたお花を選ぶのが一番です。
好きだったお花: ガーデニングが趣味だったお父様が好きだったバラ、お母様がいつもリビングに飾っていたユリなど、故人との思い出が蘇るお花。
• 誕生花: 故人の誕生花を調べて選ぶのも素敵です。
花言葉で選ぶ: 感謝、愛情、安らかな眠りといった花言葉を持つお花に、ご自身の想いを託すこともできます。
・ カーネーション(赤): 母への愛
・ キク(白): ご冥福をお祈りします
・ ストック: 永遠の美、愛情の絆
・ トルコギキョウ: 優美、希望
・ スイートピー: 門出、優しい思い出

節のお花: 散骨を行う季節のお花を選ぶことで、より自然な形で海へ還すことができます。
どのようなお花であっても、故人を想う気持ちがこもっていれば、それが最高のお供え物となります。
最も重要な注意点:自然に還らないものは全て外す
海洋散骨で献花を行う上で、最も重要で、必ず守っていただきたいルールが「自然に還らない人工物はすべて取り除く」ことです。これは、未来永劫、美しい海洋環境を維持するために不可欠な配慮です。
お花屋さんで購入した花束は、通常、様々な人工物で装飾されています。船に乗る前に、必ず以下のものを取り外してください。
ラッピングペーパー、セロハン
リボン、飾り紐
輪ゴム、ワイヤー
花束の根元にある保水用のアルミホイルやビニール
吸水性スポンジ(オアシスなど)
プラスチック製の葉や装飾品
これらの人工物が海に流れ出ると、海洋ごみとなり、海の生き物や生態系に深刻なダメージを与えてしまいます。マイクロプラスチック、海洋汚染の深刻な問題となります。
おすすめは「花びら」の状態にしておくことを推奨します。
環境への負荷を最小限に抑え、かつ美しく献花を行う方法として、当会ではお花を花びらの状態にしておくことを強く推奨しています。
茎や葉も自然物ではありますが、分解に時間がかかり、一時的にですが海面を漂うことになります。一方、花びらは水に触れるとすぐに広がり、美しく舞いながら速やかに自然に還っていきます。
ご遺族様それぞれが、バスケットや袋に入れた色とりどりの花びらを手に持ち、故人への言葉と共に海へ撒く光景は、非常に感動的で、心に残るものとなるでしょう。ご自宅で、ご家族皆様で故人の思い出を語り合いながら、花びらを一枚一枚準備する時間もまた、大切なグリーフケアのプロセスとなります。

故人へ捧げるお酒|海洋散骨で献酒する際の自主ルールとマナー

「お酒が好きだった父に、最後の一杯を捧げたい」
「仲間と集まれば、いつもビールで乾杯していた友人を偲びたい」
お酒もまた、故人らしさを表現する大切なお供え物です。献酒は、故人との最後の酌み交わしであり、思い出を分かち合う神聖な儀式です。

どんなお酒を持っていけばいい?


こちらも、お花と同様に銘柄などの決まりは一切ありません。故人様が愛飲していたお酒をご用意ください。
• 日本酒
• ビール
• ワイン
• ウイスキー、ブランデー
• 焼酎
• その他、好きだったカクテルなど
故人様が晩酌を楽しんでいたお猪口やグラスを一緒に持参し、それを使って献酒を行うと、より一層心のこもった儀式となります。

献酒の作法と最も重要な注意点


献酒で最も大切なのは「節度を持って行う」ことです。故人を偲ぶ気持ちは大切ですが、海は公共の場所であり、未来の世代へ引き継ぐべき貴重な自然です。
1. 海に注ぐのは少量に留める
故人にお供えする、という意味で、お持ちいただいたお酒を少量、海に注ぐことは問題ありません。しかし、ボトルや缶の中身を全て海に流すといった行為は、海洋汚染につながる可能性があるためお控えください。あくまで「故人にお裾分けする」という気持ちで、少量を海に注ぐのがマナーです。
2. 瓶や缶のまま海に投棄するのは絶対におやめください
お酒の入った瓶や缶、ペットボトルなどをそのまま海に投げる行為は、「海洋投棄」となり、法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)で固く禁じられています。これは絶対に許されない行為です。
献酒は、必ず中身だけを海に注ぎ、空になった容器(瓶、缶、ペットボトル)は当会で処分いたしますのでご安心下さい。
【献酒の具体的な手順例】
1. 持参した故人の好きだったお酒をご用意します。
2. ご遺族の代表者が、散骨された場所に向かって、故人への最後のメッセージなどを語りかけます。
3. お酒を少量、静かに海へ注ぎます。
4. ご遺族様も同じお酒を少しだけ口に含み、故人を偲んで献杯するのも良いでしょう。(船上ですので、飲み過ぎには十分ご注意ください)
この一連の作法を通じて、故人との絆を再確認し、心穏やかなお別れをすることができます。

お花やお酒以外にお供えできるもの・できないもの

「故人は甘いものが好きだったけど、お菓子はお供えできる?」

「思い出の手紙を一緒に流したい」(水に溶けない紙は不可)
 (*当会では水に溶ける紙をご用意出来ます)

といったご質問もよくいただきます。

お供え物の基本原則は、お花と同じく「時間の経過とともに、完全に自然に還るもの」であることです。

【お供えできるものの例】
• 水溶性の紙に書いた手紙: 特殊な水に溶ける紙であれば、故人へのメッセージを託すことができます。

• 好きだった食べ物や飲み物(少量): クッキーを一片砕いたものや、コーヒーをごく少量であれば問題ありません。自然分解を妨げない、油分の少ないものが望ましいです。

【お供えできないものの例】
お供え物としてふさわしくない、環境に負荷を与えるものは、お持ち込みをお断りしております。
• ビニールやプラスチック製品: 包装、おもちゃなど
• 金属製品: アクセサリー、硬貨、入れ歯など
• ガラス製品: グラス、ビー玉など
• 発泡スチロール
• 化学繊維でできた布製品
• 写真: プラスチックコーティングされているため自然に還りません。思い出の写真は、心の中やお手元で大切に保管してください。

判断に迷う場合は、些細なことでも結構ですので、必ず事前に当会スタッフにご相談ください。

海洋散骨と環境問題|他社の見解と当会の考え方

「献花は海洋投棄にあたる」と記載しているウェブサイトを見つけて、不安に思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、海への物の投入に関しては様々な考え方や意見があります。
ここで、当会の見解を明確にお伝えいたします。
当会では、自主ルールとマナーを遵守した上での少量の献花は、環境への影響は極めて軽微であり、海洋投棄には当たらないと考えています。
その理由は、お花が完全に自然由来のものであるからです。例えば、台風や大雨の後には、山や川から大量の草木や花、葉などが海へと流れ着きます。自然界では、日常的に植物が分解され、土や水に還るというサイクルが繰り返されています。
私たちが海洋散骨で手向けるお花は、それら自然現象の規模に比べれば、ごくごく微量です。プラスチックや輪ゴムといった人工物を完全に取り除き、分解されやすい花びらの状態にしていただければ、それは自然のサイクルの一部として速やかに分解され、海の生態系を乱すものではありません。
もちろん、これは「何をしても良い」という意味ではありません。先述の通り、人工物を取り除くことや、お酒を大量に流さないといった「環境への最大限の配慮」が大前提です。
私たちは、ご遺族の「故人を弔いたい」という純粋な想いと、未来へ美しい海を引き継ぐという社会的責任の両方を大切にしています。だからこそ、厳格なルールを設け、その範囲内で、心温まるお見送りを実現できるよう努めているのです。

海洋散骨当日の流れ(お花やお酒をお供えする場合)

お花やお酒をお持ち込みになる場合の、当日の儀式の流れを具体的にご紹介します。事前に流れをイメージしておくことで、当日は落ち着いて故人様とのお別れに集中できます。
1. 出航: ご遺族様が乗船後、スタッフが当日の流れと注意事項を改めてご説明します。

2. 散骨ポイントへ移動: 故人との思い出などを語り合いながら、穏やかな時間を過ごします。

3. ポイント到着・儀式の開始: 散骨を行う海域に到着後、静かな環境で儀式を始めます。

4. ご遺骨の散骨: ご遺族様の手で、粉末状にしたご遺骨を、お手元から海へとお還しします。

5. 献酒: 代表の方が、故人への言葉とともに、持参したお酒を少量、海へ注ぎます。

6. 献花: ご遺族様全員で、準備した献花(花びら推奨)を散骨した場所へ手向けます。色とりどりの花びらが海面に広がる、最も感動的な瞬間です。

7. 黙祷: 故人に想いを馳せ、全員で静かに黙祷を捧げます。

8. 周遊: 散骨したポイントの周りを、船でゆっくりと旋回します。これは故人への最後の敬意と別れを告げるための儀式です。

9. 帰港: 港へ戻ります。船上では、故人の思い出話などを語らいながらお過ごしください。

まとめ:故人を想う気持ちを、環境に優しい形で

この記事では、海洋散骨におけるお花やお酒のお供えについて、申し込みの要否から具体的な方法、守るべき大切なルールまで、網羅的に解説しました。
最後に、最も重要なポイントを改めて確認しましょう。
お花やお酒のお供えは可能で、特別な申し込みは不要です。 ご遺族様が故人のために自由に選び、ご持参ください。
お花は、ラッピングや輪ゴムなど人工物をすべて取り除き、環境負荷の少ない「花びら」の状態にすることを強く推奨します。
お酒は、瓶や缶のまま海に投棄することは法律違反です。 故人にお裾分けする気持ちで「少量」を注ぎ、容器は必ず持ち帰ってください。
お供え物の基本は「完全に自然に還るもの」です。写真やプラスチック製品など、自然に還らないものは持ち込めません。
ルールとマナーを守ることで、献花や献酒は環境に負荷をかけることなく、故人を偲ぶ素晴らしい儀式となります。
海洋散骨は、故人が雄大な自然へと還り、海と共に永遠に生き続けるという、尊いお見送りの形です。そこに、故人が生前愛したお花やお酒を添えることは、ご遺族の悲しみを癒し、温かい思い出を心に刻むための、非常に大切な行為だと私たちは考えています。
どうしたら良いかわからない、判断に迷う、といったことがあれば、どんな些細なことでも構いません。どうぞお気軽に当会へご相談ください。私たちが、あなたの想いに寄り添い、心を込めてお手伝いいたします。

記事作成:海洋散骨会

2025年08月06日