乗船が中止になる事はありますか?

海洋散骨は天気に大きく左右される?気象情報による中止判断の全容

海洋散骨をご検討中の皆様へ。大切な故人様を自然に還す、厳かで美しい海洋散骨。しかし、その実施には天候が非常に重要な要素となります。今回の記事では、海洋散骨がどのような気象条件で中止になるのか、そしてもし中止になった場合、どのように対応すべきかを詳しく解説します。

なぜ海洋散骨は天候に左右されるのか?

海洋散骨は、陸上での葬儀とは異なり、船を使用して海上で執り行われます。そのため、天候が直接、散骨の安全性と実施可否に影響を与えます。

安全性の確保: 荒れた海での航行は、乗船される皆様の安全を脅かします。特に小さなお子様やご高齢の方が同乗される場合、揺れによる船酔いや転倒のリスクが高まります。私たちは、何よりもまず皆様の安全を最優先に考えています。

故人様への敬意: 波風が強い状況では、故人様を安らかに見送ることが困難になります。大切な方を心を込めてお見送りするためにも、穏やかな天候の日に執り行うことが望ましいのです。

安全管理規定の遵守: 船舶の航行には、• 安全管理規定を適用されます。特定の気象条件下では、安全な航行が困難と判断され、出港自体の許可はしません

具体的にどのような天候で中止になるの?

私たち海洋散骨会では、安全な海洋散骨を遂行するため、独自の• 安全管理規定を設けています。この基準は、単に「雨が降っているか」といった単純なものではありません。以下に示す複数の要素を総合的に判断し、出港の可否を決定します。

風の強さ

風が強いと、海面に高い波が発生します。強い風は船体を大きく揺らし、乗船者の安全を危険にさらすだけでなく、故人様のお骨や花が風に流され、故人様を安らかにお見送りすることが難しくなる可能性があります。風速5メートル以上など、具体的な基準を設けて安全性を確保しています。

波の高さ

波が高いと、船が大きく揺れて非常に危険です。特に、揺れに弱い方やご高齢の方、小さなお子様にとっては大きな負担となります。波の高さが1.5メートル以上になると、安全な航行が可能性です。安全にセレモニーを行うためには、波が穏やかな日を選ぶことが不可欠です。

降雨の状況

小雨程度であれば、レインコートなどで対応可能な場合もありますが、激しい雨や雷雨の場合は中止とします。視界不良による航行の危険に加え、故人様を偲ぶ厳粛な時間を妨げてしまうためです。梅雨の時期など、長期にわたって雨が予想される場合は、前もってお客様にご連絡し、日程の調整をご提案いたします。

霧や視界不良

霧が発生したり、大雨によって視界が悪くなると、安全な航行が困難になります。航路上の他の船舶や障害物を見つけることができなくなり、衝突のリスクが高まるため、出港を見送ることがあります。

中止になったらどうなるの?

せっかく準備を進めてきたのに、中止となってしまうのは残念に思われるかもしれません。しかし、ご安心ください。中止が決定した場合は、速やかにご連絡を差し上げ、改めて日程を調整させていただきます。

事前にご連絡

気象予報で天候不良が予想される場合、できる限り早めにご連絡いたします。特に、台風の接近や梅雨の時期など、長期的に天候が不安定になることが分かっている場合は、余裕をもってご連絡し、日程変更のご相談をさせていただきます。

当日の判断

朝、出港直前に天候が急変することもあります。その場合、皆様が港に到着する前にご連絡し、中止を決定することもあります。例えば、透き通るような青空であっても、遠方の海域に大きな波が予想される場合は、安全を考慮し中止とさせていただくことがあります。

出港後の引き返し

万が一、出港後に天候が急変し、安全な海洋散骨が困難であると判断した場合は、船長の判断で帰港することもあります。このような事態が発生しないよう、私たちは事前に気象情報を徹底的に調査し、安全性の確保に全力を尽くしています。

天候不良を「故人様からのメッセージ」と捉える考え方

「雨が降ったり風が強くて出港できないのは、故人様がまだご家族と一緒にいたいと願っているのかもしれない」
これは、私たち海洋散骨会が大切にしている考え方の一つです。無理をして出港するのではなく、故人様からの「もう少し一緒にいたい」という優しいメッセージだと捉える。そうすることで、晴れやかな気持ちで、最高の天候の日に、故人様を心からお見送りできるのではないでしょうか。
海洋散骨は、故人様とご家族にとって、一生に一度の貴重な時間です。最高の思い出として心に残るよう、私たちは常に安全を最優先に考え、穏やかな海でのセレモニーをご提供したいと願っています。

まとめ

海洋散骨は、天候に大きく左右される儀式です。しかし、それは「故人様との最後の別れ」という大切な時間を、安全かつ最高の形で執り行うための、最も重要な条件です。
風が強い日や波が高い日は、船の揺れが大きくなり危険です。
激しい雨や雷は、セレモニーの妨げとなり、航行の危険を高めます。
私たち海洋散骨会は、皆様の安全と故人様への敬意を第一に考え、気象情報に基づき厳格に出港判断を行っています。もし天候不良により中止となった場合でも、ご希望に沿って新たな日程を調整し、皆様に安心して海洋散骨を行っていただけるよう、全力を尽くします。
この情報が、海洋散骨をご検討中の皆様にとって、安心の一助となれば幸いです。故人様との最後の時間を、心穏やかに、最高の思い出として迎えるために、私たちはこれからも皆様に寄り添い、サポートしてまいります。
記事作成:海洋散骨会

2025年08月21日